[PR] 音楽を始め動画〜電子書籍まで、簡単ダウンロード

黒澤明 『悪い奴ほどよく眠る』 #19

公共法人と私企業との汚職(贈収賄)を取り上げ、腐敗した社会構造にメスを入れた、社会派大作ドラマ

こういった社会犯罪には必ず、自らは手を汚さないボスがいるんですね。部下たちは忠実にボスの指示にしたがって、おこぼれ(小金)を頂戴する。そして犯罪が露呈しそうになったら、部下が人身御供(犠牲)になる。

この映画とても40年以上前の作品とは思えない。今の社会腐敗の構図とそう変わりないじゃないか。誰もがそう感じるんじゃないでしょうか。また映画的にも決して古びてなくて、現代映画にも充分立ち向かえる、映像的にもドラマ的にも質の高い力作だと思います。

そして汚職に関わる人間関係図に加えて、彼らの犠牲になった小役人の息子が復讐の名のもとに、敢然と社会悪に立ち向かう。社会問題を題材にしながらも、こうした設定がドラマをより面白くし、映画の中にぐいぐい惹き込まれていきます。2時間半、全く飽きずに観られますね。

ただラスト、ドンデン返しを期待したものの少し物足りない結末に終わるのです。権力を持った悪は滅びないのか!?。そう感じるのは凡人の浅薄さ故(ゆえ)、なのでしょう。黒澤監督の正義感の強さと、あえて現実を厳しく見極める視点とを投影させた、(娯楽性のみに媚びない)妥協を排した作品なのだと思います。

悪い奴ほどよく眠る

 悪い奴ほどよく眠る 1960(昭和35)年 150分
  【脚本】小国英雄、久板栄二郎、黒澤 明、菊島隆三、橋本 忍
  【撮影】逢沢 譲 【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、森 雅之、香川京子 他

  Amazonを参照する

黒澤明 『用心棒』 #20

黒澤明 監督が初めて、意図的に娯楽性を前面に打ち出して作ったという、痛快娯楽時代劇

確かに緊迫感あふれるストーリー展開の中に、笑えるシーンあり、じ〜んと泣けるシーンもあり、観る側を強烈に惹き込みます。さらに映像が実に風格があって、単なる娯楽作にとどまっていません。

面白さと共に「映画の深さ」のようなものを感じさせるのは、商業主義にのっかっても決して妥協はしない、完全主義の姿勢が投影されているからでしょう。※やっぱ黒澤映画は芸術なんです。

明らかに西部劇のスタイルを時代劇に取り込んでいるんだけど、それまでの西部劇を越える作品に仕上げてしまうのはさすが! 現にこの作品は『荒野の用心棒』等、マカロニウェスタンの原形にもなりました。

三十郎(三船敏郎)の型破れなキャラクターも、強烈に印象づけられますね。シナリオ、演出、映像、キャスティング、それぞれの映画の要素が見事に結実した、娯楽時代劇の完成品!だと言えるでしょう。

用心棒

 用心棒 1961(昭和36)年 110分
  【脚本】菊島隆三、黒澤 明 【撮影】宮川一夫 【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、東野英治郎 他

  Amazonを参照する

黒澤明 『椿三十郎』 #21

用心棒』に続いて、三十郎(三船敏郎)がはたまた大暴れをする娯楽時代劇

映画全体の風格では『用心棒』に軍配が上がるだろうけど、娯楽性においてはこちらの方が、面白いんじゃないかな。また例の如く綿密に練られたシナリオで、観る側をハラハラドキドキさせるドラマ展開は、現代の日本映画においても今なお、充分お手本になると思います。

お話の面白さもさる事ながら、相変わらず三船敏郎の剣さばき、素早い立ち回りは見事!。なんせ三船さんは、普通の俳優が三挙動かかる動作を一挙動でこなすっていうぐらいだから、そりゃ見ごたえがあります。

またキャスティングが実にいいですね。三十郎の三船敏郎を始め、小林桂樹、伊藤雄之助のとぼけたキャラクターは可笑しくて、親しみを感じさせる。黒澤明 監督は「キャラクター作りの名人」である、と言われる所以が、この作品を観るとうなずけます。

この映画の最大の見所は、やはりラストでしょう。シナリオでは「長い恐ろしい間があって、勝負はギラっと刀が一ぺん光っただけで決まる」とだけ記されてあったとの事。まさに緊迫!鮮烈!のラスト・クライマックスシーンは必見です。

椿三十郎

 椿三十郎 1962(昭和37)年 95分
  【脚本】菊島隆三、小国英雄、黒澤 明 【撮影】小泉福造 他 【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、仲代達矢、加山雄三、入江たか子 他

  Amazonを参照する

黒澤明 『天国と地獄』 #22

黒澤明 監督ならではの、社会的視点と娯楽性を結実させ、ダイナミックにかつ繊細・リアルに描いた、第一級推理・サスペンス

冒頭、大企業の重役たちによる社内権力争いのさ中、重役の一人権藤(三船敏郎)のもとに、息子を誘拐したとの一報が...。

前半は重役たちの争いから誘拐事件発生まで、権藤邸の中での密室劇として繰り広げられますが、一転して身代金受け渡しの特急列車のシーンへと移り変わります。

この4分余りの特急列車のシーンは、この映画の最大の見せ場で、なんと列車を借り切り、8台のカメラでリアルタイムで撮影されたとの事。黒澤監督の完全主義がここでも徹底されています。

また後半の、犯人を追っていく警察陣の(徹底したリアリズムを基に展開される)捜査プロセスも、大きな見所ですね。

とにかく推理・サスペンスドラマのお手本映画として、海外を含むその後の映画に大きな影響を与えた作品であり、今観ても現代映画に比べて全く遜色を感じません。

※犯人を割り出す大きな手がかりとなる、煙突の煙の着色シーン、そういえば『踊る大捜査線』がパクってましたね(もちろん黒澤プロに了承済の上)。

天国と地獄

 天国と地獄 1963(昭和38)年 143分
  【脚本】小国英雄、菊島隆三、久板栄二郎、黒澤 明 【撮影】中井朝一 他
  【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、仲代達矢、山崎 努 他

  Amazonを参照する

黒澤明 『赤ひげ』 #23

斜陽化する日本映画界の危機を救うべく、黒澤明 監督が情熱を結集して創り上げたヒューマニズム大作

江戸時代、貧民の治療施設であった小石川養生所が舞台。そこで働く医師赤ひげ(三船敏郎)と青年医師保本(加山雄三)、貧乏で不幸な患者達、それぞれの人間交流、人間ドラマが実に丹念に描き込まれています。

入念な時代考証に基づいて建てられた養生所の撮影セット、また当時日本映画では初めてワイヤレスマイクを使ったり、マルチカメラシステムを駆使した撮影は相当の苦労があったようです。

こうした完全主義者ならではのエネルギーが、映画全体にみなぎっています。映像も見事だけど、この作品では赤ひげという人物の魅力と共に、不幸な宿命を背負った患者達の、それぞれのドラマに惹き込まれていきます。

また赤ひげを通じて、保本が医師としての使命に目覚めていく姿も描かれていきますが、とりわけ保本が初めての患者とよ(二木てるみ)の心を開かせていく場面には、最も感動させられました。

アクションや娯楽ものとはまた一味違う、観る側を感銘させるドラマ作りにおいても、黒澤監督は本当に卓越してますね。また黒澤映画最後の白黒作品であり、その有終の美を飾るにふさわしい傑作だと思います。

赤ひげ

 赤ひげ』 1965(昭和40)年 185分
  【脚本】井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤 明 【撮影】中井朝一他 【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、加山雄三、山崎 努、二木てるみ 他

  Amazonを参照する

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。