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黒澤明 『七人の侍』 #14

ご存知、七人の侍はアクション超大作!などと紹介されることが多いですが...何度も観ると、この映画の普遍の面白さの要因はシナリオにあることが実感できます。物語設定、お話の運び方、ドラマ性、そして要所要所での「魅せ場」づくり。この辺のシナリオが実によくできてるからこそ、三時間半、観る側を全く飽きさせないんですね。

特に前半の七人の侍が集まる過程のお話。むしろ本編ともいえる後半より、お話的には面白かったりします。

貧しい百姓たちが、野盗集団からの自衛のために侍を雇うことにした。しかし払える報酬は腹いっぱい食わせることだけ。どう考えても引き受け手などいそうにもない「侍さがし」。悉(ことごと)く断られる中、最初の勘兵衛(志村喬)が登場。この登場のさせ方というか掴みというか、素晴らしいですよね。智将(リーダー)のイメージを見事に焼き付けます。

その勘兵衛が心動かされて引き受けるシーン。観客(観てる側)も涙させられてしまう説得力です。そしてこのリーダーの存在が核になり、一人また一人と呼応して集まってくる過程が、またなんともゾクゾクするほど面白いのです。

それともう一つはやはりキャラクターの魅力ですね。この映画を長すぎるという人がいますが、じっくり丹念に描かれているからこそ、この七人のキャラクターが鮮烈に印象づけられるんですよね。決して無駄に長いわけじゃない。緻密に作り込まれたお話の面白さと共に、登場人物の魅力にもぐいぐい惹き込まれて、相乗効果でさらに映画として面白くなるわけです。

とりわけ菊千代(三船敏郎)の存在が、どれだけこの映画を面白く魅力的にしているか!。個性だけじゃなく、ストーリーのうえでもものすごく重要な役割を果たしています。

そういった意味からも、このシナリオ(黒澤、橋本、小国の共同脚本)のクォリティは傑出!していると思います。ユル・ブリンナーがこのシナリオに惚れ込んで原作権を購入し、西部劇版『荒野の七人』を作ったってのもうなずけます。

でもって、話は飛んで(^^;)終盤の戦闘シーン。時代劇アクションですから、自分の足で走るか馬に乗っての戦いです。武器も竹槍・弓矢・刀に少数の種子島(笑)。まあそりゃ現在のハイテクを駆使したアクションに比べれば見劣りするでしょう。

でも、アクションが単にカタルシス的な(痛快さだけの)描写じゃない!。戦いの凄まじさ、厳しさ、そして悲惨さ。戦うってのはこういうことなんだ、という生のリアリティが伝わってくるんです。これは凄い!ですね。技術を超越した、作り手のパワーです(戦闘シ−ンだけに限らないんですが)。

とにかく、ワクワク、ゾクゾク、時にドキドキの緊迫したドラマ性に、感動の魅せ場あり、痛快アクションあり、仄かなラブロマンスあり...映画の面白さが集約されてる、押しも押されぬ大傑作!です。

こういう映画こそが、ほんとうに実力が備わった筋金入りの名作だと思います。世界中の映画監督が未だお手本にしているというのも事実でしょう。

まだまだあれもこれもでいっぱい見所があって、この映画の魅力を語ってたら収拾が付かなくなりそうです。これくらいでやめときます(^^ゞ。

この映画の凄さは製作過程からもうかがい知ることができます。→ 『七人の侍』について

※難をいえば当時の録音技術の問題のせいか、台詞が聞き取りにくい。DVDではかなり精度はよくなってますが、一度は字幕ONで観られることをおすすめします。

七人の侍
 七人の侍 1954(昭29)年公開 207分
  【脚本】黒澤 明、橋本 忍、小国英雄 【撮影】中井朝一 【音楽】早坂文雄
  【出演】志村 喬、三船敏郎、木村 功、宮口精二、加東大介、千秋 実、稲葉義男、
  津島恵子 他

  Amazonを参照する

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はじめまして、matuといいます。私も黒澤監督大好きです。七人の侍は現場六人今も昔も基本は変わらない。音楽も好き。
これからも勉強させていただきます。
よろしくお願いします。
Posted by matu at 2006年11月30日 23:45
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