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黒澤明 『生きる』 #13

七人の侍』と並んで世界映画史に残る、黒澤明 監督ヒューマニズム映画の代表作。

余命いくばくもない男が、生きる証として残りの人生を完全燃焼させる姿を通して、人間の生き方を描いた感動的なお話ですが...それを決して叙情的に描くだけでなく、当時の日本の現実を的確にとらえながら、家族や社会のあり方をも問うている。いわばヒューマンドラマに確固たる主張を入れた、とても内容の濃い作品だと思います。

生きる」という深淵なテーマを堂々と打ち出して、それをひじょうにわかりやすい作品にしてしまうのは、さすが黒澤監督の大胆さを感じます。しかし一つ一つのシーンは繊細で、戦後復興期の光景(役所の職場風景、住宅事情、歓楽街の様子など)が克明に描写されていて、当時の生活や風俗の様子が目に焼き付いてきます。

またなわばりに固執する役所の内部機構への批判は、今も変わらぬ官僚機構の実態を鋭くついていて、私などにはとても痛快に感じられました。

黒澤監督の映画は、作品としてよりも、監督自身の物の見方や考え方にどうしても興味が向いてしまいます。社会の不正や矛盾に対しての怒りが、自身の映画に投影されていて、正義感の強い監督の人間性がうかがえる気がします。

しかし生きるでの見所はやはり、人間が真に生きる意味を示した事にあるんじゃないでしょうか。黒澤監督はこの映画を作るにあたって、こう自分に問い掛けたそうです。

「どうしたら心安らかに死ねるか・・・」 「・・・その答えはベストを尽くして生きていく事だ」と。
シンプルながら、ひじょうに重みのある言葉です。

生きる

 生きる 1952(昭27)年公開 143分
  【脚本】黒澤 明、橋本 忍、小国英雄 【撮影】中井朝一 【音楽】早坂文雄
  【出演】志村 喬、小田切みき、伊藤雄之助、金子信雄 他

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