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黒澤明 監督作品一覧

作  品  名   個人的好み 公  開  年 主 要 映 画 賞、 他  備 考
姿三四郎  
1943(昭和18)年
デビュー作。
一番美しく  
1944(昭和19)年
主演の矢口陽子さんと黒澤監督は翌年結婚。
続 姿三四郎  
1945(昭和20)年
 
虎の尾を踏む男達  
1945(昭和20)年
※封切りは1952(昭和27)年
我が青春に悔なし ★★★★
1946(昭和21)年
 
素晴らしき日曜日  
1947(昭和22)年
 
酔いどれ天使  
1948(昭和23)年
三船敏郎の黒澤作品初出演作。
静かなる決闘 ★★★★
1949(昭和24)年
 
野良犬  
1949(昭和24)年
 
醜聞(スキャンダル  
1950(昭和25)年
 

羅生門  
1950(昭和25)年
ヴェネチア映画祭金獅子賞
米アカデミー賞最優秀外国語映画賞
白痴  
1951(昭和26)年
 
生きる ★★★★★
1952(昭和27)年
ベルリン映画祭銀熊賞
七人の侍 ★★★★★
1954(昭和29)年
ヴェネチア映画祭銀獅子賞
生きものの記録  
1955(昭和30)年
 
蜘蛛巣城 ★★★★
1957(昭和32)年
 
どん底  
1957(昭和32)年
 
隠し砦の三悪人 ★★★★
1958(昭和33)年
ベルリン映画祭銀熊賞・監督賞
悪い奴ほどよく眠る ★★★★
1960(昭和35)年
 
用心棒 ★★★★★
1961(昭和36)年
ヴェネチア映画祭男優賞(三船敏郎)

椿三十郎 ★★★★★
1962(昭和37)年
 
天国と地獄 ★★★★
1963(昭和38)年
 
赤ひげ ★★★★★
1965(昭和40)年
ヴェネチア映画祭男優賞(三船敏郎)
どですかでん  
1970(昭和45)年
※初のカラー作品。
デルス・ウザーラ  
1975(昭和50)年
米アカデミー賞外国語映画賞
影武者 ★★★★★
1980(昭和55)年
カンヌ映画祭グランプリ
★★★★
1985(昭和60)年
米アカデミー賞衣装デザイン賞(ワダエミ)
 
1990(平成02)年
※この年、アカデミー特別栄誉賞
八月の狂詩曲  
1991(平成03)年
 
まあだだよ  
1993(平成05)年
遺作。

黒澤明 ヒストリー(経歴)

黒澤 明 (くろさわあきら 1910年〜1998年)

1910年、東京で生まれる。

日本を代表する映画監督のひとり。海外でも広く名前が知られている日本映画の巨匠の一人であり、「世界のクロサワ」と呼ばれることもある。

当初は画家志望だったが、1936年(昭和11)に助監督・脚本家として東宝の前身、P・C・Lに入社。
山本嘉次郎監督に師事し、助監督・脚本家としての経験を積み、姿三四郎(1943)で監督デビュー。

その後、生涯で三十本の監督作品を残す。※その作品群からは、特にシェークスピアロシア文学、そしてジョン・フォードの映画の影響がみられる。

デビュー作以降、戦後になってわが青春に悔なし(1946)、酔いどれ天使(1948)、野良犬(1949)などで戦後の混乱を生きる人々の姿をいきいきと描いて、一流監督の仲間入りをした。

芥川竜之介の「藪(やぶ)の中」をもとにした羅生門(1950)が翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞。1951年度アカデミー賞外国語映画賞も獲得して、世界的な注目を集めた。

1950〜60年代の代表作には、生きる(1952)、七人の侍(1954)、用心棒(1961)、天国と地獄(1963)などがあり、西部劇や活劇のおもしろさを取り入れた黒澤時代劇は、西部劇に大きな刺激を与えた。

60年代後半より企画の流産があいつぎ、一時期スランプ(※)におちいったが、ソ連映画デルス・ウザーラ(1975)を監督してカムバック。この作品は75年度アカデミー賞外国語映画賞にかがやいた。

その後の作品には、カンヌ国際映画祭グランプリを獲得した影武者(1980)、(1990)、八月の狂詩曲(ラプソディー)(1991)などがある。

また、シェークスピアの戯曲を翻案したものには、「マクベス」をもとにした蜘蛛巣城(1957)や、「リア王」をもとにした『(1985)がある。『乱』はアカデミー賞監督賞にノミネートされた。

1993年、内田百聞(ひゃっけん)原作のまあだだよを発表。

さらに次作の企画を準備していたが、1998年9月、脳卒中のため88歳の生涯を終えた。

1985年に映画人としてはじめて文化勲章を受章、1990年にはアカデミー賞特別名誉賞を授与されている。死去の翌月、映画監督としては初の国民栄誉賞がおくられた。


※スランプ
その妥協を許さない厳しい製作姿勢から、映画製作が滞った時期があった。
赤ひげ(1965)の制作で東宝との関係が悪化したこともあって、黒澤はアメリカで『暴走機関車』の制作を準備するが、制作方針を巡りアメリカ側と対立。映画は実現しなかった(後にアンドレイ・コンチャロフスキーが黒澤の脚本を原案として映画化)。

1968年に日米合作『トラ・トラ・トラ!』の日本側監督を務めた際には、撮影開始当初から米国側の製作会社であった20世紀フォックスや仲介の日本人ブローカーと、撮影スケジュールや予算を巡って激しく衝突。

結果、監督を降板する事態となり、その2年後には自殺未遂事件を起こしている。

黒澤の代役には舛田利雄、深作欣二(クレジット上は共同監督だが、深作が担当したのは実質的にはB班監督)とが共同で当たった。

なお黒澤本人の意向によりクレジットに名前はないが、脚本は黒澤が書いたものがほとんど使用されている。

−参考:Microsoft エンカルタ 及び Wikipedia

黒澤明 『夢』 #28

黒澤明 監督が、自分の見た夢をもとに撮り上げたオムニバス映画(短編8話)。

これはどうみても巨匠の道楽作品ですね(苦笑)。他の監督じゃこんな映画作らせてもらえないでしょう。
スピルバーグが製作総指揮でジョージ・ルーカスも協力、ということで思い存分、好きなように創らせてもらったって感じ。でもねえ、やっぱ少しは観る側のことも考えてくれないと...最初映画館で観た時、途中寝ちゃいましたよ(汗;)。

これは担ぎ上げられた巨匠の映画であって、私たちが知ってる純然たる黒澤監督の作品とは少し違う気がします。海外資本が入って、ちょっと色気が出ましたか?。合成とか特撮を使った、テクニックが一人歩きしてるような違和感のあるシーンもあります。

まあしかし80歳にして、このエネルギーは凄い!です。何本かの短編では、格調高き映像美・様式美を魅せてくれました。環境や核問題に警鐘を鳴らす黒澤イズムも健在です。

映画は総合芸術。様々な批判・好き嫌いは当然あるにしても、芸術家・黒澤明として、残すべき作品だったのでしょう。

個人的には第1話、第2話、第5話、第8話 の美しい映像での「夢」が良かったです。特に最終話の笠 智衆さんの独特の味わいと、美しい日本の古き良き風景、これだけでも充分観る価値がありました。

夢

  1990(平成2)年 120分
  【製作総指揮】スティーブン・スピルバーグ
  【脚本】黒澤 明 【撮影】斎藤孝雄、上田正治 【音楽】池辺晋一郎
  【出演】寺尾聰、いかりや長介、マーティン・スコセッシ、笠 智衆 他

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黒澤明 『八月の狂詩曲』 #29

80歳晩期の黒澤明 監督が、円熟した表現手法で描きあげたメッセージ映画

長崎に住むおばあちゃんと孫たちとのひと夏の交流を通して、原爆の恐怖、反戦・反核を訴える。あくまで長閑(のどか)な日常の描写の中から、静かに戦争を諷刺(ふうし※)しています。

※諷刺・・・社会制度に見られる構造的な欠陥や、高官の言動にうかがわれる人間性のいやしさなどを、露骨に非難せず、やんわりと大所高所から批評すること。

そう、まさしく諷刺です。戦争の悲惨な描写や被害者の慟哭などはなく、原爆(ピカ)を目玉で象徴し、いびつに歪んだジャングル・ジムでその被害を目に焼き付ける。実に鮮やかな表現でもって...

そして物議を醸した、リチャード・ギア(ハワイの甥役)と、(原爆で夫を失った)おばあちゃんとの会話。

「オジさんのこと知らなくて、ホントにす・み・ま・せ・んでした」 (片言の日本語で)
「よかと...」
(中略)
「わたしたち、ワルかった」 (※この際 R・ギアの演技についての論議はどうでもいいんです^^;)
「・・・よかとですよ」

このシーンがアメリカのマスコミや国内でもかなりバッシングされたようですが、そんなことは百も承知で黒澤監督は言わせている(訴えたかった)んだと思います。これらのメッセージを日本の戦争の是非云々といった解釈でとらえてしまうのは、誠に残念!(鑑賞力が貧しい)としかいいようがない。

おばちゃんの「よかと...」、このひと言が、いかに寛容で、人間愛に満ちた言葉であるか!。

また同じ原爆で夫を失った老婆どおしが無言で語り合うシーン!。どんな叫びよりも、悲しみの深さを物語っていると思います。

あとは、黒澤映画の中でもおそらく屈指の名ラストシーンであります。いっけん滑稽な絵でありながら、この映画に込めた全ての思いを凝縮させたようなシーン。心に染み入ります。『八月の狂詩曲(ラプソディ)』・・・見事なタイトルと共に、晩年最良の佳作を、日本人のために残してくれました。

八月の狂詩曲
 八月の狂詩曲 1991(平成3)年 100分
  【脚本】黒澤 明 【撮影】斎藤孝雄、上田正治 【音楽】池辺晋一郎
  【出演】村瀬幸子、吉岡秀隆、リチャード・ギア、井川比佐志 他

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黒澤明 『まあだだよ』 #30

黒澤明 監督の作品は、多くの大傑作と共に、個人的に不可解な作品もいくつかあります。
例えば『虎の尾を踏む男達』とか『どん底』とか『白痴』とか...。それらは古典芸能や文学的表現を理解し得ない、私自身の見識不足によるものでありました。

しかし、この最後の作品に関しては、そうしたものとはちょっと違う不可解さでありまして...

これだけの豪華俳優を集めて、大根役者のように大げさに不自然に演じさせた意味?。
※香川京子さんは、ひじょうに慎ましく自然で良かった。

主人公の主人公の内田 百聞(ひゃっけん)がなぜこれだけ教え子に慕われるようになったのか?
その辺のプロセスの描き込みがないので、全く共感できない。

黒澤監督自身は客観的にこの作品をどうとらえたのだろう?。
この作品で描いてる大人のお祭り的ユーモア(?)が、観客に受ける(共鳴する)と思ったのだろうか。

...等々、つっこみどころ満載の作品なんですね。

時に「お〜っ」と感嘆させられる映像美も魅せてくれるし、黒澤監督らしいヒューマニズムも盛り込まれてはいます。しかし、映画界の巨星たる監督が最後に到達した表現作品であるとは、残念ながら思えません。

もしかしたら、内田百聞を自身の姿として投影させた、自虐的表現なのか?と言う感想すら抱いてしまうのです。

まだ次の映画化に意欲的で準備を進めていた、というその途上で黒澤監督は逝去されました。佳作ばかり創って満足するような監督ではなかった!?。何より作品を通して、生き様を示そうとした黒澤監督。

最後に残したのは、巨匠として成熟したものではなく、純粋な自身へ回帰しながら描いた書生的な作品となりました。黒澤監督らしい遺作といえるかもしれません。

まあだだよ

 まあだだよ 1993(平成5年) 134分
  【脚本】黒澤 明 【撮影】斎藤孝雄、上田正治 【音楽】池辺晋一郎
  【出演】松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹 他


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黒澤明 『どですかでん』 #24

初めてのカラー作品。貧民街に住む様々な人たちが描かれています。

電車の運転手になりきってる知恵遅れの少年。酒に溺れ近親相姦に陥ってしまう男。いつも大邸宅を建てる事を夢想している乞食の親子。平然と相手を交換し合う、肉体労働者夫婦たち。妻の浮気からショックで立ち直れなくなる哀れな男、等々。

この映画『どん底』の現代版みたいな感じといったらいいのでしょうか?。やはりこういう作品、わかりやすいんだけどよくわからないのです?私には。一体何を描こうとし、訴えようとしているのか?。社会の最下層に住む人間たちの屈折、頽廃といった問題をテーマにした黒澤流リアリズム?。

いや考える必要はないのかもしれませんね。
この映画を観ると特に、黒澤監督の次の言葉が思い出されます。
「私に論理などない。表現するしか説明できないものを、誰にもわかるように表現しようとしているだけだ。」

どですかでん

 どですかでん 1970(昭和45)年 126分
  【脚本】黒澤 明、小国英雄、橋本 忍 【撮影】斎藤孝雄、福沢康道 【音楽】武満 徹
  【出演】 頭師佳孝、伴淳三郎、菅井きん 他

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黒澤明 『デルス・ウザーラ』 #25

黒澤明 監督、唯一の海外での製作映画作品。

実はそれ以前に、『トラ・トラ・トラ』等、ハリウッド進出のオファーはあったんだけど、ゴタゴタがあって頓挫。そして自殺未遂があったりして...

で、まあいろいろあった後の復活の舞台として、(旧)ソ連を選んだわけですね。

そうした背景もあってか、心機一転、別天地で、国内での商業主義的な束縛にも囚われず(?)、自由に、自然な感性で創り上げた、という印象を受けます。黒澤映画の中ではちょっと異色かもしれません。でも、黒澤芸術の神髄を味わえる作品だと思います。

原作は20世紀初頭のシベリア極東地方の探検記。シベリアの厳しい自然を舞台に、学術探検隊長アルセーニェフと老猟師デルス・ウザーラの心温まる交流が描かれます。大自然に根付いて素朴に生きるデルス・ウザーラの姿に、アルセーニェフはしだいに魅了されていき、厚い友情が育まれる...

その過程がワンシーン・ワンシーンじっくり描かれ、観客(観る側)もデルス・ウザーラの魅力に惹き込まれていくのです。この辺りの丹念な描き込みが、黒澤監督の並外れたところなんですね。


エピソードを一つ。冬のシベリヤの荒野、アルセーニェフとデルスが道に迷い、生き延びるため小屋を作るのに大量の草を刈るシーン。そのリアルさを出すために10日もかけたという。実際アルセーニェフ役の俳優は疲労でぶっ倒れたそうです。黒澤監督らしい、徹底した完全主義に、さぞかし俳優は大変だったことでしょう(^^;)。

あとは言葉を尽くしてもなかなか伝わりきらない、この作品の雰囲気。まさに映像叙事詩です。これぞ「映画」という媒体ならではの、表現作品だと思います。特にCG等では到底創り出すことはできない、シベリアの自然そのものの情景。広大な風景、厳しい風雪、雪解けのみずみずしい川の流れ、等々...映画館で観たかったなあ。

それとこの映画のエッセンスとして語ろうとしているもの。自然=デルス、文明=アルセーニェフ、という象徴(人物)を通じての、「自然と文明の競合」という問題について。このことに目を背けるわけにはいかないんですね。やはり黒澤監督は、単なるお涙頂戴の友情物語には終わらせなかった。そうした問題を投げかけながら、余韻を響かせつつ、エンディングロールが流れます...

デルス・ウザーラ
 デルス・ウザーラ 1975(昭和50)年 142分
  【脚本】黒澤 明 【撮影】中井朝一 他 【音楽】イサク・シュワルツ
  【出演】ユーリー・サローミン、 マキシム・ムンズク 他

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黒澤明 『影武者』 #26

戦国時代の武将、武田信玄の影武者の逸話を基に、武田家の衰退と戦乱の様相を描いた時代劇大作。カンヌ映画祭グランプリ受賞作。

黒澤作品はこの影武者あたりから、映像の美しさを重視する傾向に変わった、と言われています。確かに従来ならば、影武者という特殊な立場に置かれた人間の描写(内面の葛藤や虚像と実像の対比等)を、もっと徹底的に表現したでしょう。そういった面では、昔ながらの黒澤ファンには受入れ難い作品かもしれません。

しかし私のような素人には、わかりやすいドラマ構成で、映像重視のこういう作品の方が、黒澤監督の凄さを容易に受け入れる事ができるのです。とにかく重厚で美しく、風格がある映像は、ワンシーン毎に全霊をつぎ込んだようなこだわりとエネルギーをストレートに感じる事ができる。

その描写はまさに黒澤美術(アート)

また卑しい身分の影武者が、武将をどう演じるのかも見所ですね。演技の中で演技を演じる、この難しい役どころを仲代達矢が見事に演じきっています(※勝新だったらもっと面白かったか?)。

※元々主役は、勝新太郎だったが黒澤監督と対立し、途中降板。

影武者

 影武者 1980(昭和55)年 179分
  【脚本】黒澤 明、井手雅人 【撮影】斎藤孝雄、上田正治 【音楽】池辺晋一郎
  【出演】仲代達矢、山崎 努、萩原健一 他

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黒澤明 『乱』 #27

シェークスピアの「リア王」と、戦国時代の毛利元就と息子達三兄弟の逸話を組み合わせ、黒澤風の文化と様式美あふれるオリジナル世界に仕立て上げた、スペクタクル時代劇

広大なロケーションとオープンセットをステージにした、壮大な舞台劇とでも申しましょうか。さらに前作影武者にも増して、映像が実に美術的!です。

こういう視覚的に観れる映画、私は好きです。それに、能の表現形式、豪華絢爛たる衣装等、日本独自の文化・様式を再認識する意味でも、よくぞこういう映画を残してくれた、と勝手に思ったりしています。

ただここまで映像表現や演出技術が前面に出てしまうと、もはや巨匠の道楽的作品と観る向きもあるようですね。作品を創る度に、世評の風当たりが強くなるのも巨匠たる故の宿命なのかもしれません。

そのせいではないでしょうけれども、この映画での戦闘殺傷シーンは凄絶というより、虚しく映し出されているのが印象に残ります。

作品の評価はどうあれ、戦乱の様相と人間像を、円熟した感性で描き上げた、黒澤監督最後の大作といえるでしょう。

乱
  1985(昭和60)年 162分
  【脚本】黒澤 明、小国英雄、井手雅人 他 【撮影】斎藤孝雄 他 【音楽】武滿 徹
  【出演】仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、隆 大介 他

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黒澤明 『悪い奴ほどよく眠る』 #19

公共法人と私企業との汚職(贈収賄)を取り上げ、腐敗した社会構造にメスを入れた、社会派大作ドラマ

こういった社会犯罪には必ず、自らは手を汚さないボスがいるんですね。部下たちは忠実にボスの指示にしたがって、おこぼれ(小金)を頂戴する。そして犯罪が露呈しそうになったら、部下が人身御供(犠牲)になる。

この映画とても40年以上前の作品とは思えない。今の社会腐敗の構図とそう変わりないじゃないか。誰もがそう感じるんじゃないでしょうか。また映画的にも決して古びてなくて、現代映画にも充分立ち向かえる、映像的にもドラマ的にも質の高い力作だと思います。

そして汚職に関わる人間関係図に加えて、彼らの犠牲になった小役人の息子が復讐の名のもとに、敢然と社会悪に立ち向かう。社会問題を題材にしながらも、こうした設定がドラマをより面白くし、映画の中にぐいぐい惹き込まれていきます。2時間半、全く飽きずに観られますね。

ただラスト、ドンデン返しを期待したものの少し物足りない結末に終わるのです。権力を持った悪は滅びないのか!?。そう感じるのは凡人の浅薄さ故(ゆえ)、なのでしょう。黒澤監督の正義感の強さと、あえて現実を厳しく見極める視点とを投影させた、(娯楽性のみに媚びない)妥協を排した作品なのだと思います。

悪い奴ほどよく眠る

 悪い奴ほどよく眠る 1960(昭和35)年 150分
  【脚本】小国英雄、久板栄二郎、黒澤 明、菊島隆三、橋本 忍
  【撮影】逢沢 譲 【音楽】佐藤 勝
  【出演】三船敏郎、森 雅之、香川京子 他

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